研究会

【中部ESP研究会】

 

1.研究会概要
 工業英語研究から始まった中部ESP研究会は、専門分野での英語教育の必要性を念頭に ESP研究会の運営を行ってきました。ESP研究にとって重要な視点は、英語教育のみならず、該当する各専門分野の社会性・歴史性を考慮する必要があります。そのためには、単なる教養的な知識のみならず、専門分野の最新の知識を常に得る必要があると考えています。

 

2.活動報告
 工業英語、栄養英語、看護英語といった専門分野のESPに焦点を当ててきました。また新ソルーションである二次元ドットコード(音声ペン)を活用した教材作りを行っています。このソルーションは日本で最初に中部ESP研究会が導入したものです。今後もこのデバイスの英語教育への活用の調査を行っていきます。また他のESP研究会との共同研究体制の取り組みも進行中です。

 

3.今年度の活動について
 次の3点を今年度の活動の中心としています。

  ①各分野での実践例の情報収集
  ②ESP教育の実践による教育効果の検証
  ③二次元ドットコードによる教材作成

代表:馬場景子

連絡先:bkeiko33@r4.dion.ne.jp


【待遇表現研究会】

1.研究会の概要

 待遇表現研究会は1994年に堀素子先生によって創立され、ことばの対人関係機能と言語教育の関係を明らかにすることを目指しています。創立当初は主としてポライトネス理論を中心に英語教育の諸問題を考える活動を行いました。現在は収録した会話データを言語の語用面、コミュニケーション面から分析する研究を中心に行っています。日英語の対人関係機能の研究を行い、その成果を英語教育に応用することを目指しています。
 研究会は1~2ヶ月に1回行われ、科学研究助成金の研究を中心に行い、その成果をJACETや国内外の学会で発表しています。

 

2.活動報告
 初期の研究では、諸外国の英語の教科書の語用面の扱いの比較、対人関係の表現を授業で教える試みなどを行い『ポライトネスと英語教育』(2006)にまとめ、JACET賞(学術賞)を受賞しました。2003年からは科研費の補助を得て、日英語の初対面会話データの収録を始め、データの分析から英語の対人関係機能の解明を目的に研究会のメンバーがそれぞれのテーマを持って研究をしてきました。対人関係構築の観点から会話データを分析した結果をJACET全国大会・支部大会や国内外の社会言語学・語用論・異文化コミュニケーション関連の学会で発表を行いました。2010年から更に3年計画の科研費による研究を発足し、イギリス、アメリカ、オーストラリアに行き現地の会話データを収録しました。データの分析の結果をJACETの全国大会、国際語用論学会(IPrA)やSociolinguistic Symposium等で発表しました。3年間の科研の最終年度にあたる2012年度にはJACET中部支部定例研究会での発表に加え、京都と東京で科研の成果発表会を開催しました。
 研究会では、データの分析の結果についての討論に加え、学会等の報告、文献のレポート、会話分析ソフトの講習などを行っています。

 

3.活動予定
 イギリス、アメリカ、オーストラリアおよび日本で収集した会話データを精密化を行いながら、それぞれのメンバーが研究結果を論文にまとめ出版に向けて活動を行う予定です。

 詳しい研究会の活動については「Politeness Research Group活動記録」をご覧ください。http://happy.ap.teacup.com/zunda/

 

代表:村田泰美(名城大学) 副代表:大谷麻美(京都女子大学)

 


【国際英語と異文化理解研究会】

 「国際英語と異文化理解」研究会は国際英語論と異文化理解の視点から英語教育のあり方を考える研究会であり、現在の主たる研究活動は科学研究費基盤研究(C)「アウターサークル英語との接触が日本人の英語学習に与える教育効果の検証」(平成23年度~26年度)をめぐって行われています。科研費助成研究に関して各人が研究分担に沿った研究を進める他、それぞれの個人研究も実施しています。
 研究会員は、例年IAWE(International Association for World Englishes)世界大会に参加あるいは研究発表を行い、国際英語論研究の最新動向の把握に努めております。また、毎年JACETの国際大会や中部支部大会で研究テーマに関連する研究発表を行っています。その他、国内外の関連学会に積極的に参加して研究テーマの研鑽に務めています。

 研究会の今後の活動としては、これまでの研究成果を踏まえた著書の共同執筆を早急に進めることが目下の課題となっている。また、引き続き競争的研究資金の獲得に努力するなど、研究会としての研究環境を整え着実な研究活動を進めて行きたいと考えています。

代表:吉川 寛(中京大学) 副代表:倉橋洋子(東海学園大学)

 


【ライティング研究会】

1.研究会の概要

 ライティング研究会は、ライティングの本質を研究し、その知見をもとに教育場面におけるライティング指導がどうあるべきかを考え研究活動を行っています。そのためライティング研究の対象は英語ライティングにとどまらず広く「書くこと」を対象とし、多角的にライティングをとらえる研究姿勢で活動しています。

 具体的な活動としてメンバーが持ち寄った文献の研究、並行して研究会のメンバーが実際担当しているライティング授業を対象とし、その授業や学習者ライティングを様々な角度から討議し、いかにライティングをとらえるべきかを中心に研究を重ねています。研究会は1~2ヶ月に1回の頻度で行っています。

 

2.活動報告

  研究会では2012年度から、科研費研究「日本人のための英語ライティングセンター構築の可能性とその実現計画」(課題番号24520717)を行っています。2013年度は前年度の訪問調査をまとめ、8月にJACET国際大会(京都大学)、10月にはSymposium on Second Language Writing(山東大学、中国済南省)にて発表を行いました。両大会において、さまざまな視点から示唆に富んだフィードバックをいただくことができ、発表を行ったことが、今後の研究のさらなる発展につながるものとなった、という実感をメンバー誰もが持つことができました。

 文献研究では、引き続きThe psychology of written composition (Bereiter, C. and Scardamalia, M., 1987), Motivating students to learn (Brophy, J., 1997) の二冊をテキストとして輪読会を行い、「書くこと」と「思考を深めること」の関係性を探っています。

 

3.活動予定

 2014年度は今までのライティングセンターに関する調査、学会での発表をもとに、「よい書き手を育てるためのライティングセンター」のあるべき姿を提案するため、論文の形にまとめいきます。今年度もライティングセンター研究と文献研究という二つの柱をもとに、活動を進めていく予定です。


代表:木村友保(名古屋外国語大学) 副代表:佐藤雄大(名古屋外国語大学)

連絡先:kimurat@nufs.ac.jp

 


【授業学研究会(中部)】

 

1.研究概要
 「授業学研究会(中部)」(Developmental Education Chubu Chapter)は、2012年3月で終了した第二次授業学研究特別委員会に参加していた中部支部メンバーを引き継ぐ形で2012年4月に新しく発足した研究会です。どのように英語の授業を運営するかということに関しての実践・研究は今まで多くの積み重ねがなされてきていますが、「ことばの授業」とはそもそもどういったものなのか、学習者の何をのばすことができるのかという基礎的研究はまだまだ量が多いといえません。こうした現状をふまえ、本研究会は「ことばの授業」を主に外国語学習研究と認知科学に基づき理論的研究を行うのと同時に、実践研究を行っていく研究会です。二ヶ月に一回をペースに、主に南山大学で研究会活動を行っています。

 

2.活動報告
 2013年度は、それまで継続して行ってきた英語学習に困難さを感じる学習者への授業研究に一区切りつけ、今年度は新しい取り組みの準備期間として、どのような研究に取り組んでいくかを改めて研究会メンバーで考える期間とした。
 研究会メンバーに協議の結果、以下の点を方針としてこれからの研究をすすめていきたいと考えている。
1.短期間の研究ではなく、できるだけ長い期間を対象とした授業研究
2.量的研究ではなく質的研究
3.インタビューを中心として学習者が考えていることを直接研究対象とする
4.学習者の学習歴を調査することで、高校英語教育と大学英語教育の連続性、あるいは齟齬を見る

5.小学校時代、英語教育を受けてきた学生も入学してきているので、彼らに小学校時代の英語教育を振り返ってもらい、小学校英語教育の影響を具体的に調査する

 もう一つの活動は、継続して輪読しているHow People Learn: Brain, Mind, Experience, and School(Bransford et al., 2000)を2013年度も継続し、Part II Learners and Learningまで読了した。

 

3.活動予定

 2014年度は、上記の意見を集約して英語授業に関する長期にわたる質的研究を開始したい。またその経過を2015年度のJACET国際大会で発表できるように、発表の準備も進めたい。継続しているHow People Learnの輪読も進めて、2014年度はPart III Teachers and Teachingに焦点を当てていきたい。

代表:木村友保(名古屋外国語大学) 副代表:佐藤雄大(名古屋外国語大学)

連絡先:kimurat@nufs.ac.jp

 


【多文化共生と英語教育研究会】

 

  「多文化共生と英語教育研究会」は前身の「言語アセスメント研究会」を閉会して2014年4月に新たに設置された研究会です。しかし新旧研究会の関心領域は大いに重なっており、「『多文化・多言語社会』『言語政策』『国際英語論』『言語アセスメント』をキーワードにグローバル化した現代社会のニーズに直結した視点で日本の大学英語教育を捉えなおす」という趣旨において、共通性と継続性をもっています。旧研究会が「言語アセスメント」という「研究手法」に焦点を当てていたのに対し、新研究会はその「研究内容」により焦点を当てている点に相違があり、活動内容の一層の透明化を図ることを意図して設置されました。
 本研究会では、多文化共生時代の外国語教育や英語教育のあり方について、多角的なアセスメントと提言を行ってきており、2014年3月1日には、中部支部定例研究会にて、「観光と英語教育:現状のアセスメントと課題」と題する研究会発表を行い、8月のJACET全国大会では「観光地における多言語サービスの実態と大学観光英語教育のアセスメント」と題してポスター発表を行いました。「内なるグローバル化への対応と英語教育」が近年の本研究会の中心テーマとなっており、国内における多文化多言語化がどの程度進んでいるのか、英語教育はどのような方法で内なるグローバル化に対応すべきか、社会言語学や言語政策の視点と関連づけた研究を実施しています。全国大会では「観光英語の現状」をめぐる分析と提言に例年以上に多くの方々が関心を寄せて下さいました。「観光英語」をカリキュラムに取り入れる大学が増えていることも背景にあるのではないかと感じています。

 今後の活動としては、多文化共生と英語教育をテーマとする出版物をまとめること、多文化共生に関する総合的な調査活動を実施すること、などが当面の目標です。どのメンバーも例外なく多忙であり、京都や宮崎など遠方のメンバーも参加しているため、なかなか全員そろっての会合が開催できないことが悩みではありますが、メールなども駆使しつつ、怠惰な気持ちを引き締め、互いの研究意欲を刺激しあえるところが研究会の良さであると感じています。

 

代表:小宮 富子

 


【最新言語理論に基づく応用英語文法研究会】

 

1.研究会概要

 本研究会は、最新の言語研究――生成文法理論、認知言語学、語彙意味論、機能主義言語学、コーパス言語研究等から得られる知見を教育現場で応用できるように整形し、従来の学校文法(学習文法)では一面的にとらえがちであった文法現象や構文に対して、多面的アプローチによりその説明と導入を試みることを主目的として、2010年9月に設立された。

 従来から、同じ言語理論に基づいて一つの研究会を構成することはしばしば見受けられたが、本研究会では、すでにそれぞれの分野で(他の学会においても)研究成果を発表している中堅の研究者(いずれもJACET会員)が軌を一にして、教育現場 への応用や貢献を考え、定例研究会がそのまますぐにでもシンポジウムとして通用するような密度の濃い研究会活動を志向している。

 

 

2.活動報告

 同一言語現象に対して、本研究会員の今井隆夫(IMAI, Takao)は認知言語学の視点から、北尾泰幸(KITAO, Yasuyuki)は生成文法理論の視点から、都築雅子(TSUZUKI, Masako)と高橋直子(TAKAHASHI, Naoko)は語彙意味論とコーパス言語学の視点から、奉鉉京(BON, Miki)は第二言語習得論の視点から、それらに加えて、大森裕實(OMORI, Yujitsu)は歴史言語学と機能主義言語学の視点から新しい切り口を考究する。 2010年11月に第1回ミーティングを開催し、本格的活動の第一歩を踏み出した。設立して間もない2011年度にはJACET第50回記念国際大会(西南学院大学)でポスター発表を行ない、同年度中部支部定例研究会においても「A Dynamic Pedagogical English Grammar の新構築」と題する研究発表を行なった。

 なお、本会員による英語教育関連の最近の著書には『学校文法の語らなかった英語構文』(勁草書房)、『リィーディングとライティングの理論と実践』(大修館書店)、『イメージで捉える感覚英文法』(開拓社)、『最新言語理論を英語教育に活用する』(開拓社)等があり、語学学習テキストとして 『More Step-up Skills for the TOEIC Test(一歩上を目指すTOEIC テスト)』(朝日出版社)、『英国王のスピーチ』[名作映画完全セリフ音声集スクリーンプレイシリーズ](フォーインスクリーンプレイ事業部)等もある。

 

 

 

3.今年度の活動について

 2013年度より3年間計画で、本研究会活動を中核とする科学研究費助成による研究「研究課題名:教職課程(英語)受講生のための言語知識教育プログラムの体系的構築:課題番号:25370738)」が採択された。その研究成果報告の一環として、2014年8月に開催される第53回JACET国際大会において「言語理論の学問知を生かした英語教育」というテーマでシンポジウムを実施することを決定し、今年度前期は当該シンポに向けての準備を精力的に行なう予定である。

代表:大森裕實(愛知県立大学) 副代表:今井隆夫(愛知教育大学(非))

連絡先:yujitsu@for.aichi-pu.ac.jp