参加をご希望の方は、以下のフォームよりお申し込みください。

懇親会への参加もあわせて受け付けております。

https://forms.gle/3Ph4WZtJwhhFSJum7


どうぞよろしくお願いいたします。

一般社団法人 大学英語教育学会(JACET)中部支部

2026年度中部支部講演会プログラム

JACET Chubu Chapter Annual Lecture 2026

日時: 2026年11月29日(日)13:30~17:25
会場: 名古屋市立大学 ミッドタウン名駅サテライト(JPタワー名古屋5階)
開催方法: 対面・オンライン(Zoom)同時開催

参加方法:JACET中部支部ホームページより、事前に参加申し込みをお願いいたします。参加費は無料です。
https://jacet-chubu.org/studygroup/

※会場の都合により、対面参加は先着50名とし、定員を超えた場合はオンライン参加をご案内いたします。
※講演会の参加申込締切:11月23日(月)
※懇親会の申込締切:11月15日(日)

開会挨拶 13 時 30 分~13 時 35分 支部長 藤原 康弘(名城大学)

支部総会 13 時 35 分~13 時 45 分

【基調講演】

13:50 – 14:50 基調講演    

英語力をいかにつけるか ―研究と実践― 

杉浦 正利(名古屋大学名誉教授)

【シンポジウム】 司会:三上 仁志(中部大学)

15:00 – 15:30  講演

第二言語の読解速度:研究知見の統合と教育的示唆 

山下 淳子(名古屋大学)

15:40 – 16:10 講演

構文を「聞ける」知識へ:リスニングとスピーキングを統合した授業実践 

村尾 玲美(名古屋大学)

16:20 – 16:50 講演

スピーキングの学びと評価の一体化に向けて

鈴木 駿吾(名古屋大学)

16:50 – 17:20 質疑応答とディスカッション

17:20 – 17:25 閉会挨拶  副支部長 梶浦眞由美(名古屋市立大学)

17:45 -  

懇親会 PER ADESSO ペルアデッソ東海(KITTE名古屋B1F)

基調講演概要

英語力をいかにつけるか研究と実践

杉浦 正利(名古屋大学名誉教授)

「英語力をいかにつけるか」は、英語教育の中心的な課題であるとともに、第二言語習得研究(Second Language Acquisition: SLA)が解明しようとしてきた課題でもある。すなわち、母語ではない英語を使う能力を身につけることが英語を学び・教えることの目的であり、その発達のメカニズムやプロセスを明らかにすることがSLA研究の目的である。        

本講演では、SLA研究における主要な理論・研究を概観するとともに、それらが「英語力をいかにつけるか」という課題のどのような側面を明らかにしてきたのかを整理する。さらに、それらを関連づけながら、第二言語処理運用能力の発達についての一つの見取り図を提案する。

第二言語習得研究では、学習者の母語や学習環境の違いを超えて共通する発達傾向が存在する可能性を示した文法形態素の習得順序研究が行われてきた。また、正答率ではなく創造的使用に着目し、言語処理能力の発達に伴う段階的な制約を提示した処理可能性理論(Processability Theory)も提案されている。    

さらに、子どもの第一言語獲得と成人の第二言語習得には質的な違いがあると主張したBley-Vromanの根本的相違仮説(Fundamental Difference Hypothesis)、言語習得能力には成長に伴う変化があり、とくに母語話者レベルの到達可能性において思春期前後が重要な時期であるとする臨界期仮説(Critical Period Hypothesis)も大きな影響を与えてきた。                          

一方で、言語習得を言語使用経験の蓄積として捉え、形式と意味・機能の結び付きやパターンの抽出・一般化によって説明する用法基盤モデル(Usage-Based Model: UBM)や、第二言語習得の少なくとも一部をスキル学習として捉え、経験を通して知識の手続き化や自動化が進むと考えるスキル獲得理論(Skill Acquisition Theory: SAT)も提案されている。                                   

そして近年では、第二言語の発達を理解するためには集団平均だけでは不十分であり、学習者ごとの発達の軌跡や変動性に注目する必要があるとする複雑動的システム理論(Complex Dynamic Systems Theory: CDST)が注目されている。                                        

本講演では、これらの知見を統合し、第二言語処理運用能力の発達を、共通する認知的・発達的制約のもとで、学習者が言語使用経験を積み重ねながら形成していく動的なスキル発達過程として捉える。臨界期以降の第二言語習得においては、高度な熟達度に達することも可能ではあるが、その発達過程や最終到達状態が母語話者と同一であるとは限らず、何がどこまでできるようになるかには大きな個人差が存在すると考えられる。                   

では、もし発達の経路や速度が学習者によって異なるのであれば、英語の授業では何をどのように教えればよいのだろうか。

CDSTは、発達の個別性や時間的変動を重視し、集団平均だけでは捉えきれない側面があることを指摘している。しかし、それは教育実践に関する一般化をすべて否定するものではない。特定の条件下で特定の学習活動や指導法が一定の効果をもつということについては、一般化可能な知見を蓄積することができる。一方で、その効果は学習者の背景や学習環境などによって変化しうる。 したがって、どのような学習活動がどのような条件のもとで効果をもつのかについては、SLA研究の成果から見いだしていく必要がある。そして、授業では個々の学習者の条件を考慮しながら、学習活動をデザインし、その成果を学習者自身が実感・評価できるようにすることが重要である。        

最後に、私自身がこれまで大学の英語授業で実践してきた以下のような学習活動を紹介する。

・パラグラフとエッセイの構成パタンをPeer Reviewしながら学ぶアカデミックライティングの授業

・1分100語のディクテーションとシャドウイングによるリスニングとスピーキングの基礎トレーニング

・毎週1冊(約1万語)読む多読活動

・ペーパーバックを一冊内容理解するリーディング活動

・毎回授業の初めに5分で行う「英語表現クイズ」

学習者が内容そのものに興味をもち、教室内外で継続的に英語に触れながら、英語表現の意味と形式の結び付きを自ら発見し、教員や他の学習者と協働的に学べる授業づくりを心がけてきた。少しでも皆様の英語教育実践の参考になれば幸いである。

講師紹介

杉浦正利(すぎうら まさとし)

名古屋大学名誉教授。専門は英語教育学、第二言語習得論、学習者コーパス研究、CALL教材開発。名古屋大学人文学研究科英語教育学分野教授を経て2026年3月に退職。在任中にハワイ大学とメリーランド大学で客員研究員を務めた。英語学習者コーパスを用いた言語発達研究、データ駆動型学習(DDL)、コンピュータ支援による英語教育の研究に従事。近年の主な論文に、Vocalization, Text Presentation, and Learner-Related Factors in Learning L2 Multiword Expressions in Sentences(International Journal of Applied Linguistics)、Changes in Syntactic Complexity Indices with the Language Development of Japanese as a Second Language(Journal of Quantitative Linguistics)、Generalizing Linguistic Patterns Through Data-Driven Learning(Language Teaching Research)などがある。

シンポジウム 講演概要

第二言語の読解速度:研究知見の統合と教育的示唆

山下 淳子(名古屋大学)

英語母語話者の読解速度には発達段階に応じたベンチマークが存在し、読解力の評価や診断など教育的な場面で活用されている。一方、第二言語としての英語の読解速度は、英語母語話者や学習者の母語における読解速度よりも遅いことが広く知られているものの、母語話者のような確立されたベンチマークは存在しない。そのため、第二言語学習者にとって現実的な読解速度がどの程度であるのか、またその速度をどのように評価すべきかについては、十分な共通理解が得られているとは言い難い。本講演では、黙読および音読について、第二言語の読みの速度に関する研究知見を統合し、その実態と影響要因を、主として英語を対象とした研究に基づいて概観する。また、読解速度や流暢性の向上を目的とした指導法について整理し、それぞれがどのような理論的背景に基づき、どのような実践が行われているのかを検討する。さらに、第二言語読解における現実的な速度水準を踏まえ、教育実践および評価のあり方について考察する。

講師紹介

山下淳子(やました じゅんこ)

名古屋大学人文学研究科英語教育学分野教授。英国ランカスター大学言語学・現代英語学部門博士後期課程修了(PhD in Linguistics)。主要な研究分野は第二言語の読解と語彙習得。著書にReading in a second language: From theory to practice (2nd ed) (Cambridge University Press, 2022 、共著), Reading to Learn in a Foreign Language: An integrated approach to foreign language instruction and assessment (Routledge, 2019、共編著)がある。その他、学術論文・分担執筆書籍多数。

シンポジウム 講演概要

構文を「聞ける」知識へ:リスニングとスピーキングを統合した授業実践

村尾 玲美(名古屋大学)

近年のメタ分析研究から、語彙知識と文法知識は、第二言語のリスニング能力を構成する重要な要素であることが明らかになっている。一方、構文文法や用法基盤モデルでは、語彙と文法を互いに独立した知識として明確に区別するのではなく、両者を連続的なものとして捉える。この立場では、言語知識は、形式と意味・機能との対応関係である「構文」から成ると考えられている。本発表では、リスニングとスピーキングを統合したタスクを通して、構文とその音声形式との結び付きを強化する一連の授業実践について報告する。この実践では、ワーキングメモリの音韻ループにおけるリハーサル機能に着目し、聞いた文を繰り返し発話することで、より長い音韻情報を保持する力を高めることを目指した。授業実践の結果をもとに、構文知識と音韻情報の保持という二つの観点から、第二言語のリスニング能力を高めるための指導の可能性について考察する。

講師紹介

村尾玲美(むらお れみ)

名古屋大学大学院⼈⽂学研究科准教授。名古屋大学国際開発研究科にて博士号(学術)を取得。早稲田大学オープン教育センター助教を3年勤めた後、2010年より現職。2024年度に在外研究期間を取得し、カナダのウェスタン大学にて第二言語語彙習得研究に従事した。主な研究領域は、第二言語の語彙習得および音声言語認識研究。共編著書に『第二言語習得研究と英語教育 ―名古屋大学・杉浦正利教授退職記念論集―』(開拓社)、共著書に『英語学習者コーパス活用ハンドブック』(大修館書店)、『英語リーディング指導ハンドブック』(大修館書店)などがある。

シンポジウム 講演概要

スピーキングの学びと評価の一体化に向けて

鈴木 駿吾(名古屋大学)

本発表は、英語スピーキングにおける学びと評価の一体化について、診断的評価と技能統合型タスクの観点から考察する。スピーキング能力は、語彙、文法、発音、流暢さなど複数の要素が統合されて発揮されるため、個々の課題を切り分けて診断し、具体的な学習支援へ結び付けることは容易ではない。また、細かく要素に分けて統制されたタスクで評価をしても、実際のコミュニケーションに必要な能力を十分に捉えることが難しい。こうした課題を踏まえ、本発表では、スピーキング以外の技能を組み合わせた技能統合型タスクに着目する。技能統合型タスクでは、学習者がソーステキストに含まれる語彙や文法を活用しながら発話するため、新たな表現を学び、使用する機会を組み込むことができる。このような活動をCEFRにおける「仲介(mediation)」の考え方とも関連付けながら、日本の英語教育における授業への応用可能性について考察する。

講師紹介

鈴木駿吾(すずき しゅんご)

名古屋大学大学院⼈⽂学研究科准教授。ランカスター大学言語学研究科・早稲田大学教育学研究科それぞれにて修士課程を修了後、ランカスター大学同研究科にてPh.D.(Linguistics)を取得。その後、早稲田大学にて、NEDO「人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業」における、会話型自動スピーキングテストの開発プロジェクトに関わる。プロジェクトの事業化に伴い、2022年5月からプロジェクト終了まで研究代表者を務めた。専門は、第二言語発話産出のメカニズムやスピーキング能力評価。 Annual Review of Applied Linguistics 2025年号のGuest Associate Editorを務め、現在は同誌Editorial boardのメンバー。

シンポジウム概要

理解/産出と音声/文字という2軸で整理すると4技能となるが、その根底にあるのは「英語力」である。4技能は互いに密接に関連しており、統合的にとらえた方がよい場合もある。ただ、現実的には、すべてを等しく取り扱うことは困難であり、いずれかの側面に重きをおいて研究や教育を行うことになる。また特定の側面に特徴的な現象もある。

英語力の発達には共通する傾向と個人差の両方が存在するという講演での指摘をふまえ、英語力という共通基盤と、4技能それぞれの特性の両面から、SLAの研究成果がどのような教育実践につながるのかを議論したい。

大会会場 マップ

会場

名古屋市立大学 ミッドタウン名駅サテライト  

(名古屋市中村区名駅1-1-1 JPタワー名古屋 5階 ミッドタウンクリニック名駅内)

*ご利用いただける駐車場はありません。公共交通機関でお越しください。

*会場は禁煙です

会場アクセス

JR名古屋駅からは2階 貫通通路より、JR以外の鉄道をご利用の方は地下通路より、JPタワー名古屋2階へお越しください。

・JPタワー名古屋2階の「サービス&クリニック」入口より、5~12階専用エレベーターにて5階にお上がりください。

商業施設「KITTE名古屋」の上階になります。

※地下階や1階のエレベーターは5階へは直接参りません。

https://www.midtown-meieki.jp/access

懇親会のご案内

懇親会はPER ADESSO ペルアデッソ東海(KITTE名古屋B1F)で行われます。事前予約制です(会費6,000円以内、懇親会申込締切:11月15日(日)、JACET中部支部HPの講演会参加申込から懇親会もお申し込みください)。

事務局からのお知らせ

*大会についてのご質問は、中部支部事務局(下記)までメールでお尋ね下さい。

*JACET中部支部2026年度定例研究会を2027年2月28日(日)に開催します。        

JACET中部支部の本年度最後の研究会となります。         

研究発表申し込みに関する詳細は、追って中部支部ホームページ

(https://jacet-chubu.org/studygroup/)にてご案内いたします。

問い合わせ先:一般社団法人大学英語教育学会(JACET)中部支部事務局

〒422-8529愛知県豊田市八草町八千草1247愛知工業大学 藤村敬次研究室内

jacetchubu[at]gmail.com

JACET中部支部紀要編集委員会からのお知らせ

*『JACET中部支部紀要』第23号 投稿原稿を募集いたします。

投稿規程など詳細は必ずホームページで最新情報をご確認下さい。

投稿締切:2026年9月30日(必着)

紀要に関する問い合わせ先:

JACET中部支部事務局(紀要担当)

jacet.chubu.journal [at] gmail.com

事務局からのお知らせ

 


過去記録

Share this: